目次
これまでの記事で、電子書籍を出版するメリット、
電子書籍の執筆方法などを紹介してきました。
この記事を読んでいる読者の皆さんは、恐らく、
既に出版する本の原稿は用意できている事と思います。
この記事では、実際に電子書籍を
出版する方法について詳しく紹介します。
電子書籍の出版先は?
電子書籍を出版するために、以下の3つのデータが必要になります。
- EPUBファイルに変換した本文
- 表紙画像
- 挿絵画像(挿絵がある場合)
以上のデータが揃ったら、いよいよ出版先の
電子書籍スタンドへの登録作業を行います。
電子書籍には、多数の電子書籍スタンドがあります。
日本国内の主な電子書籍スタンドには以下のものがあります。
- Amazon Kindle
- 楽天kobo
- Apple Store
- Google play
- Yahooブックストア
- BookLive!
- honto
- Book WALKER
上記で紹介した以外の電子書籍スタンドも多数あります。
電子書籍スタンド・1ヵ所又は複数登録、どちらが良いのか?
電子書籍は、1つの電子書籍スタンドだけから出版するのではなく、
複数の電子書籍スタンドに登録して出版することも可能です。
しかし、複数の電子書籍スタンドから出版した場合には、
出版した本が売れた場合に受け取る事ができる、
印税の割合が変わってくる場合があります。
具体的には、Amazon KDPセレクトへ登録した場合に
受け取る事ができる印税は70%です。
この場合には、Amazon KDPだけでの独占販売となります。
しかし、複数の電子書籍スタンドで販売したい場合には、
KDPセレクトへの登録はできません。
その場合に受け取る事のできる印税は35%となってしまいます。
また、出版する電子書籍の販売価格が1ドル、99円以下の場合には
KDPセレクトへの登録は出来ないため、本が売れた場合に
受け取ることのできる印税は35%となります。
電子書籍ではAmazon Kindleのシェアが一番大きい
2018年に行われた電子書籍のユーザー調査でも、
2位の楽天koboを約17ポイント引き離して、
Amazon Kindleがトップとなっています。

引用元:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1732.html
この点と印税の差を考えても、電子書籍を出版登録するのは
Amazon Kindle1ヵ所だけにすることをおすすめします。
Amazon KDPの登録方法
ここからはAmazon Kindleへの登録方法を説明していきます。
Amazon Kindleで出版するためには、まず最初に
Amazon KDPに登録する必要があります。
KDPはKindle Direct Publishingの略です。
日本語に訳すと、Kindle自己出版になります。
Amazon KDPにアクセス
まずAmazon KDPのサイトにアクセスします。
既にAmazonのアカウントを持っている場合には、
ページ右上にある、「サインイン」をクリックします。
ここでは、既にAmazonアカウントを持っている前提で説明します。

引用元:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/
Amazon KDPの利用規約確認画面になります。
規約に目を通したら、ページ下部にある「同意する」をクリックします。

引用元:https://kdp-eu.amazon.co.jp/agreement
ここまでで、Amazon KDPへの登録ができました。
Amazon KDPへ追加情報を入力
まだ登録情報が不完全なため、
ここから追加情報を入力していきます。
ページ上部の中央にある、「今すぐ更新」をクリックします。

引用元:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/bookshelf?
ここから、以下の3つの情報を入力していきます。
- 著者/出版社情報
- 支払いの受け取り情報
- 税に関する情報
Amazon KDPへ出版者情報を入力
最初に出版者情報を入力します。
「どの国/地域にお住まいですか」の項目で、
日本を選択すると著者/出版社情報の入力画面が表示されます。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/account?ref_=kdp_BS_TN_AL_ac
各項目を入力します。
以前は半角ローマ字での入力が必要でしたが、
現在は漢字で入力しても大丈夫のようです。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/account?ref_=kdp_BS_TN_AL_ac
Amazon KDPヘ支払い受け取り情報を入力
「支払いの受け取り方法」の入力欄にある、
「銀行の所在地はどこですか?」で日本を選択します。
すると、出版した本が売れた場合に支払いを受けるための
銀行口座情報の入力画面が表示されます。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/account?ref_=kdp_BS_TN_AL_ac
ここでの注意点ですが、口座名義は
半角カタカナで入力する必要があります。
金融機関名の入力では、日本国内の主要な銀行や、
ネット銀行はドロップダウンメニューで表示されます。
登録したい銀行名がドロップダウンメニューに表示されない場合には、
銀行名を直接入力する必要があります。
銀行口座情報の入力が終わったら、
銀行情報入力欄下部右側にある「追加」をクリックします。
すると、正しく銀行情報を入力した場合でも、
「支払いの設定が完了していません。」と表示されます。
「いいえ」をクリックします。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/account?ref_=kdp_BS_TN_AL_ac
以下の画像のように表示されていればOKです。
この画面では、ブラジルとメキシコのAmazonで出版した本が売れた場合には、
小切手での支払いしか受けることができませんと警告しています。
現実的には、Amazon Kindleで日本語の本を出版した場合、
ブラジルとメキシコで本が売れることはほとんどありません。
つまり、実際には小切手で支払いを受ける事はほぼありません。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/account?ref_=kdp_BS_TN_AL_ac
上の画面が表示されたのを確認します。
Amazon KDPヘ税に関する情報を入力
「税に関する情報を登録する」をクリックします。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/account?ref_=kdp_BS_TN_AL_ac
もし、以下の画像のような表示がされた場合には、
「保存して続行」をクリックします。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/account?ref_=kdp_BS_TN_AL_ac
税務情報に関するインタビューの入力画面が表示されます。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/tax-interview/landing
ここでは、Amazon KDPに登録する人が
以下のケースだと仮定して説明します。
- 個人で登録
- 国籍が日本で日本人
- 仲介ではなく本人が出版
上記のケースでは、1の項目を「個人」、
2の項目を「いいえ」、3の項目で「いいえ」を選択します。
ステータスの項目で「いいえ」を選択すると、「税務上の身元情報」の
入力項目が表示されます。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/tax-interview/landing
注意点としては、氏名と住所は全てローマ字と
半角英数字だけで入力する必要があります。
また、「郵送先と住所」の項目は、Amazon KDPから
登録者宛に郵便物を発送する場合の住所です。
「本籍地の住所と同じ」にチェックしておけば問題ありません。
Amazon KDPへ納税者番号(TIN)を入力
納税者番号(TIN)の項目ですが、通常、
日本国籍の人であれば、納税者番号は持っていないはずです。
「私が税金支払い義務のある国では、居住者にTINを発行していません。」
にチェックを入れます。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/tax-interview/landing
ページ最下部にある「続ける」をクリックします。
入力した情報を元に、電子署名が自動で生成されます。
「署名」欄にローマ字で氏名を入力して、
「保存してプレビュー」をクリックします。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/tax-interview/landing
自動生成された電子署名が表示されます。
念のため、氏名や住所など、表示されている情報に
間違いがないか確認しましょう。
内容の確認が終わったら、ページ最下部にある
「フォームを送信」をクリックします。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/tax-interview/landing
下の画像の表示になります。
「インタビューを終了」をクリックします。

引用元:https://account.kdp.amazon.co.jp/tax-interview/landing
ここまでの作業で、Amazon KDPへの登録作業は完了です。
お疲れ様でした。
Amazon KDPへ出版する電子書籍を登録する
ここからは、出版する電子書籍をAmazon KDPへ登録していきます。
ページ上部にある、「本棚」をクリックします。
タイトルの新規作成画面になります。
「電子書籍または有料マンガ」の上にある、
+ボタンをクリックします。

引用元:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/bookshelf?ref_=kdp_TAC_TN_bs
出版登録するKindle本の詳細情報を入力する
出版するKindle本の詳細情報入力画面になります。
入力項目がたくさんありますが、下の画像の
赤で囲ってある部分を入力するだけで出版登録は可能です。
その他の部分は、出版後にも入力することが可能なので
心配ありません。



引用元:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/title-setup/kindle/new/details?ref_=kdp_BS_cr_ti
上記の入力項目の中で一番重要なのは、「出版に関して必要な権利」の項目で、
「私は著作権者であり、出版に関して必要な権利を保有しています。」に
チェックを入れることです。
この部分にチェックを入れないと、出版した電子書籍の
著作権を放棄してしまうことになり、電子書籍が売れた場合の
印税を受け取る事ができません。
画像の赤で囲ってある部分の入力が終わりましたら、
ページ下部にある「保存して続行」をクリックします。
出版するKindle本のコンテンツを登録する
次に、電子書籍として出版するKindle本のコンテンツ(本文、表紙)などを
登録していきます。
ここで入力が必要なのは、以下の画像の赤で囲ってある部分だけです。

引用元:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/title-setup/kindle/A38LTX3LVHCLGY/content
- デジタル著作権管理(DRM)の設定
- ページを読む方向の設定
- 電子書籍(Kindle本)原稿のアップロード
- 表紙のアップロード
デジタル著作権管理の設定
デジタル著作権管理の設定を「はい」に設定します。
DRM(デジタル著作権管理)が有効になります。
デジタル著作権管理の設定を「はい」に設定すると、
ダウンロードされたKindle本がコピーされることがなくなり、
保護されます。
ページを読む方向の設定
アップロードする電子書籍の原稿に合わせて、
作成されるKindle本が横書きか縦書きかを設定します。
電子書籍のアップロード
執筆したKindle本のファイルをアップロードします。
アップロードする電子書籍のファイルは、通常EPUB形式に
変換して用意していると思います。
現時点では、EPUB以外のファイル形式で
電子書籍をアップロードすることも可能ですが、
アップロード後に、様々な不具合が出る可能性があります。
その点を考えると、最初からEPUB形式で
アップロードすることをおすすめします。
表紙のアップロード
あらかじめ用意していた電子書籍の表紙をアップロードします。
電子書籍の表紙に使用する画像のサイズは、
最低でも1,000 x 625 ピクセル以上にする必要があります。
ここまでの作業が終わったら、
ページ右下にある「保存して続行」をクリックします。
Amazon KDPで出版するKindle本の価格設定をする
ここからAmazon KDPで出版する電子書籍の価格を設定します。
入力が必要な項目は、下の画像の赤で囲ってある部分だけです。



引用元:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/title-setup/kindle/A38LTX3LVHCLGY/pricing
- KDPセレクトへの登録
- 出版地域
- ロイヤリティプランの設定
- Amazon.co.jpでの販売価格設定
- Amazon.comでの販売価格設定
KDPセレクトへの登録
「KDPセレクトへの登録」にチェックを入れると、
Amazon KDPで出版した本が売れた場合に、
70%のロイヤリティを受け取ることができます。
その代わり、出版した電子書籍はAmazon KDPでの
独占販売となり、他の電子書籍スタンドで
販売することは出来なくなります。
また、KDPセレクトへ登録するためには、
出版する電子書籍の販売価格を250円以上に
設定する必要があります。
もし、Amazon KDPでの最低販売価格、99円で出版したい場合には、
必然的にKDPセレクトへの登録はできないことになります。
出版地域
出版地域は、「全ての地域」にチェックを入れます。
チェックを入れると、出版した本が全世界で販売されるようになります。
ロイヤリティプランの設定
ロイヤリティ(出版した電子書籍が売れた場合の印税)は
35%と70%の2種類から選択できます。
しかし、70%のロイヤリティを受け取るためには、
出版するKindle本をKDPセレクトに登録する必要があります。
KDPセレクトへ登録した場合には、Kindle本の販売価格を
250円以上に設定する必要があります。
出版するKindle本を最低価格の99円で販売したい場合には、
35%のロイヤリティを選択する必要があります。
Amazon.co.jpでの販売価格設定
日本のAmazonでの販売価格を入力します。
この部分の価格を設定すると、日本以外のAmazonでの
販売価格も自動で設定されます。
Amazon.comでの販売価格設定
Amazon.co.jpの販売価格を設定すると、
Amazon.comでの販売価格も自動で設定されます。
販売価格が0.99ドルになっていない場合には
0.99ドルに変更しておいた方が良いでしょう。
アメリカ以外のAmazonでの販売価格設定については、
必要であれば各国の最低価格に設定しても良いと思います。
気にならなければ自動で設定された価格のままで良いでしょう。
ここまで入力が終わったら、ページ最下部にある
「Kindle本を出版」をクリックします。
出版手続したKindle本の審査

引用元:https://ebook-blog.com/upload-mobi-file-to-kdp/
出版手続をした本をAmazonが審査し、
内容に問題がなければ3日以内に出版されます。
Amazonの審査状況は、「ステータス」で確認できます。
ステータスの表示が「レビュー中」から「販売中」に
変われば、AmazonからKindle本が販売されています。
お疲れ様でした。
まとめ
ここまで、Amazon KDPへの登録、出版方法の説明をしてきました。
この記事での手順通り行えば、誰でもAmazon Kindleで電子書籍を
出版することができると思います。
Amazon KDPでは、出版した電子書籍が売れた場合の
ロイヤリティが35%と70%の2種類ありますが、
販売価格と販売形態によって、35%しか選択できない場合もあります。
今回、電子書籍を出版する目的はメルマガ読者の集客ですので、
電子書籍が売れた場合のロイヤリティよりも、売れやすさを考えると、
最低価格の99円で出版した方が良いと思います。
この記事がAmazon KDPで電子書籍を出版する際の役に立てれば幸いです。
他の記事では、電子書籍を出版するメリットや、
電子書籍の執筆方法などを詳しく解説しています。
そちらも是非ご覧下さい。
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